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 企業ZOOM UP 第38回 世界から注目される町工場
近年、大学の工学部離れや団塊世代の技術者の定年退職により、技術者不足が深刻化している。大手企業においても、
高度な技術を有する技術者が不足しており、専門性の高い中小企業に、開発案件を持ち込むケースが増えている。
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企業ZOOM UP 第38回


ファースト電子開発 一世界から注日される町工場 

 近年、大学の工学部離れや団境世代の技術者の定年退職により、技術者不足が深刻化している。大手企業においても、高度な技術を有する技術者が不足しており、専門性の高い中小企業に、開発案件を持ち込むケースが揩ヲている。

 ファースト電子開発()は、社員6名と小規模ながらも、無線や電子応用機器に関する技術に特化しており、国内外から注目を集めている。これまで、宇由航空研究開発機構(以下、JAXA)の「人工衛星通信用機器」、高速道路情報を提供する「ミニFM交通情報提供システム」ほか、「パス非常通報無線システム」「認知症老人等外出通報センサーシステム」の開発・製造を手がけた実績がある。また、スイスの名門時計メ一カーTAG Heuer(タグホイヤー)社と共同で「スポーツ競技用無線計時システム」を開発。誤差1000分の1秒まで計測可能なことから、スポーツ時計の国際標準と認知され、オリンピックや世界中のスポーツ競技で採用されて

 当社は、伊藤社長の趣味だったアマチュア無線の付属機器を度切りに、微弱な無線局、小電力・大電力無線、人工衛屋通信機器など幅広い分野の製造開発を手がけた経歴を持つ。近年では、大手企業からの受託開発・製造も揄チしており、鉄道関係などインフラ系企業の電源装置や警報装置の開発のほか、林業向けの安全管理装置の開発にも取り組んでいる。

「研究開発は、壁にぶつかってこそ新しい技術が生まれる。失敗の数が技術者の財産ですね」と伊藤社長は話す。当社は、町工場の利点を生かし、開発から製造まで一貫して行っている。近時では、失明した人向けの「人エ視覚システム」や「人工衛星の通信装置」など高度な開発事業を手がけてきた。伊藤社長は、30年前から宇宙研究開発の仕事に携わることを目標に研究開発に励んでいた。数年前にJAXAから「人工衛星の通信装置」の開発を直接申し込まれるまでになり、念願を果たした。

 今後は、技術協力のマッチングを行う異業種交流事業に注力するとともに、技術を社員に引き継いでもらう基盤を作っていきたいと意欲を見せる。 これからも当社の技術力は進化を遂げていく。

        (取材・文/ 東京支社情報部田中 祐実)

ファースト電子開発()
東京都板橋区清水町79-2、・電話03-5248-6644
伊藤義雄社長 
設立:19725月、資本金:1000万円
事業内容: 無線、マイコン制御、電子応用機器の開発・製造
年収入高:8000万円(20113月期見込み) 従業・:6


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