日本経済新聞 掲載記事 1998/6/30
城北地区の中小企業交流東京クローズアップ
  異業種ネットで生き残り
 中小製造業が集積する東京・域北地域で、中小企業同士の父流を通じた製品開発や営業展開開が目立つてきた。製品開発では異業種の技術を組み合わせたものが目立ち、すでに事業の柱にに育つているケー スもある。とかく弱いといわれる営業面を強化しようと、共同受注に乗り出すグループも出始めた。進取の気質が強い地域企業の経営者と、行政の後押しが実を結んだ形で、中小企業の最況感は依然厳しいだけに、今後こうした動きが他の地域でも加速しそうだ。
 
無線応用機器・電子機器開発のファースト電子開発(北区、伊藤義雄社長)は異業種との共同開発に,力を入れている。第一弾は89年にスイスの時計メーカーと開発した、スポーツ競技の時間計測装置。スキーのアルぺン競技など離れた二地点間の所要時間を検知、表示する仕組みで、ファースト電子開発ifはスタートの信号を送る無線システムの設計・製造を受け持つ。
 自動車レースにも採用されたことで出荷がのび、果計出荷台数は千台を突破した。この装置で知名度が向上、最近では区内の機械部品メーカーとリモコンで動くベルトコンべヤーを製品化。今は都内の異業種四社で鏡と映像装置'を見ながら踊りやダンスを実習できる特殊装置の開発に取り組んでいる。
 
伊藤社長は「異業種企業がそれぞれの基本的な技術を組み合わせるだけでかなりユニークな製品ができる」と自信を見せる。ファースト電子開発を中心とした異業種ネットは北区外でも注目を集めている。

スポーツ用無線計時システムを手にするファースト電子開発の伊藤社長

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